X-T2で挑む、idlers12時間耐久レース。

日本国内で開催される自動車の耐久レースの中でもっとも過酷、もっとも時間の長い、アイドラーズ12時間耐久レースというレースに縁あって4年ほど前からとあるチームのカメラマンとして参加させていただいている。毎年7月末に開催されるこのレース、今年も開催され、同行させて頂けたのでその様子を収めてきた。

ぼくが所属するチームはタツレーシングというチーム。昨年は見事優勝した強豪チームである。今年のレースは連覇がかかっていた。
光栄なことに、この強豪チームのカメラマンを務めさせていただいている。毎年夏の風物詩となっているこのレース、ぼくの写真機材選びは全てこの12時間を過ごすためと言っても過言ではない。

皆でグリッドまでマシンを押していく。レースが始まる前の独特の緊張感。
これからの12時間、この車はひたすら走り続ける。そして、カメラマンであるぼくはひたすら撮り続ける。

この耐久レース、昨年まではキヤノンのEOSを使っていた。EOSのモデルはその年々で思うところあり色々使ったが、主に5DMarkIII、それから1DXを使った時もあった。スチル写真を撮るだけなら1DXがパーフェクトな一台なのだが、ぼくには動画も同時に撮影しなければならないミッションがあるので、今まではそれと併用して、動画用にソニーのα7IIを使っていた。レンズは広角と標準域は単焦点、望遠レンズは2種類用意していた。これだけでも相当な荷物だ。

基本的に、写真は一眼レフ、動画はミラーレスとそれぞれ得意分野に振り分けて使っていたのだけど(レンズの都合もあるけれど)機材も多く重く、運ぶだけでも大変だしオペレーションはもっと大変だ。
そんな中出会ったフジのカメラ、X-T2に全てを託し、今年はX-T2一台と2本のレンズだけでこのレースに挑んだ。大幅な機材の軽量化。レンズの選択にも悩むことはないし、写真も動画も同じカメラでそのまま撮影できる。12時間も追い続けるとほんの些細なことが大きな負担となる。

今更もう言うことでもないが、X-T2のAF性能や連写速度はモータースポーツ撮影には十分なものだ。下手な一眼レフよりもずっと快適である。
ボディの剛性感、軽快なシャッターも撮っていて気持ちが良い。使っている望遠レンズ、XF100-400mmも広いサーキットでは欠かせない一本。35mm換算で600mm相当まで一度に引き寄せられ、それが手持ちで十分に撮れる大きさと重さ。EOSの頃は600mmクラスとなると一脚が必須だったし、大きく、重かったので取り回しに苦労した。

慌ただしいピットでの出来事を逃さず記録するにはやはりズームレンズが便利だ。
昨年までは表現力の面で単焦点を中心に使っていたが、今年はX-T2と同時に導入したXF16-55mmF2.8があるのでそれを活用した。明るいズームレンズを使うことは初めてで、それはとても便利だった。

流し撮りを自動で判断し、補正方向の切り替えをするというXF100−400mmの手ぶれ補正も優秀だ。手持ちで気持ちよく撮影ができる。
しかし、今まで大きく重い機材で流し撮りをしていて、その癖が抜けないため、軽いX-T2とこのレンズでの流し撮りにまだ慣れてはいないが・・。

レースも大詰めとなる。
12時間もの長時間のレースなので、終盤はすっかり日が暮れて暗い中でのレースとなる。そういった状況でも明るいレンズと高感度性能により自然に撮影ができた。

我らがタツレーシングは今年は2位。連覇は逃してしまったものの、素晴らしい成績となった。
フジXシステムで挑む耐久レース。X-T2と2本のレンズで無事にこのレースを闘い抜くことができたのではないかと思う。

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